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interview 03

Steamは今まで開拓してこなかった
プラットホームだったので、
「ビビッドナイト」は会社としても大きな挑戦になりました。

インタビュー参加者 インタビュー参加者

  • ナカムラ 透
    トオルナカムラ

    ディレクター
    / ゲームデザイナー

  • 奥村 悠真
    奥村 悠真

    クライアントサイド
    プログラマー
    (リーダー)

  • 須田 さゆき
    須田 さゆき

    デザイナー
    (リーダー)

※インタビューをした2021年10月時点での役職、勤務年数となります。

他社でディレクターを経験する中で、アソビズムのゲームの作り方が自分に合っていると再確認できました。 他社でディレクターを経験する中で、アソビズムのゲームの作り方が自分に合っていると再確認できました。

どのような経緯でアソビズムに入社したんですか?

ナカムラ

25歳の時にプログラマーとして中途採用で入社したので12年近く在籍しています。前職はWEB会社でプログラマーとしてモバイルのビジネス系アプリを開発していました。もともとはゲーム会社にいたんですが、外の世界も見てみようとビジネス系の会社に入って。その後やっぱりゲームを作りたいと就活していた時にアソビズムに出会い、この会社に入りたいと思ったんです。ユニークさに惹かれたというか、当時WEBサイトがコミカルですごく面白かったんですよね、ゲーム会社として異色でした。

ちなみに先ほど在籍が12年とお伝えしましたが、7年くらい前に1年間アソビズムを出ていたので出戻り組という感じです。「ドラゴンリーグ」や「ドラゴンポーカー」をプログラマーとして担当後、ディレクターの立場でゲーム作りがしたいと思って1度外に出ることにしたんです。他社でディレクターを経験する中で、アソビズムのゲームの作り方が自分にあっていると再確認できました。当時自分が憧れていた師匠がいたんですが、その方が取り持ってくださって、またアソビズムに戻りました。

奥村

入社して7年くらいです。新卒というわけではないんですが、ここが最初の会社ですね。当時、スマートフォンの無料ゲームが盛んになった頃で。多くのタイトルが出ていたものの、ほとんどは基本的に一人で遊ぶスタイルでした。そんな中、マルチプレイヤー前提で遊ぶ面白いゲームがあったんです。それが当時のアソビズムの新作「ドラゴンポーカー」でした。そのゲーム性に強く惹かれたのが入社理由の1つですね。アソビズムが作るゲームがどの会社よりも1番ユニークだと思ったんです。気になって調べてみると一つ前の作品であるドラゴンリーグもマルチプレイヤー前提で1試合に1時間かかるという特異なゲーム性になっていて、ここだ!と思いました。

須田

僕は新卒で、11年くらいになりますね。もともとグラフィックデザインを専攻していたのですが、その頃ガラケーのゲームが流行り出して、勉強してきたコーディングとかWEBデザインが生かせそうだなと思い就活する中で、アソビズムの当時のWEBサイトが面白かったんですよね。社内風景を見てもオモチャが置いてあったりして、この会社に入りたいなと思ったんです。応募の際にポートフォリオを提出するんですが、当時のWEBサイトのオマージュというか模したものを出してスムーズに面接まで進めました。

アソビズムは面白いゲームにならないとリリースしないという強い信念があるので、ひたすら作っては壊しを繰り返して挑戦する期間を貰えたのが本当にありがたかったです。 アソビズムは面白いゲームにならないとリリースしないという強い信念があるので、ひたすら作っては壊しを繰り返して挑戦する期間を貰えたのが本当にありがたかったです。

「ビビッドナイト」の成り立ちを聞かせてください。

ナカムラ

「城とドラゴン」チームでディレクターとして3年間実績を積んだことを評価していただけて、新作を立ち上げるチャンスを頂きまして。ただ、当時はソーシャルゲームの開発費が高騰していてゲームを1本作るのに10億円かかるような世界になっていたんです。そんな中で新人ディレクターである自分にその金額を任せるのはリスクが高い、というのが会社としての判断でした。じゃあ開発費としては非常に小さい規模で作れるゲームとなった時に、ソーシャルゲームだと運営コストも必要なので、終わりのある売り切りゲームを選択しました。売り切りゲームでもAAA(トリプルエー)タイトルと呼ばれるものは数十億円かかっているんですが、当時いただいた予算は3〜4人で開発できるくらいの規模でしたね。

売り切りゲームは時間当たりの楽しさを追求して幸福度を上げていくことが大事なので、今まで作っていた運営型のソーシャルゲームと作り方が根底から違うのに苦労しました。アソビズムは面白いゲームにならないとリリースしないという強い信念があるので、ひたすら作っては壊しを繰り返して挑戦する期間を貰えたのが本当にありがたかったです。

企画から完成までは、2年半くらいでしたね。最初はキャラクターが勝手に動いてダンジョンを探索していくような気軽に遊べるゲームとして作っていたんですが、これがまったく面白くならなかったんです。そんな中で、ユーザーさんにとって選択していくことが楽しいゲームにしようという構想が生まれました。また、売り切り有料アプリという話だったんですが、大手社長から「せっかく挑戦するならもっと大きな挑戦にしよう」とSteamに切り込むことを提案していただきまして。

奥村

Steamは今まで開拓してこなかったプラットホームだったので、そういう意味でも「ビビッドナイト」は会社として大きな挑戦になりました。Steamは私たちが元々挑戦したかった市場でもあったので、とてもありがたかったです。

須田

Steamに変更になったことで、タッチ操作からマウス操作に変わることによるUIの修正や画面サイズの調整などの作業が生じましたが、楽しく作業ができました。

今までのゲーム作りと比べて、どのような点が違いましたか?

奥村

スマートフォンで遊ぶユーザーとPCを使ってSteamで遊ぶユーザーの層がまったく違うという点でしょうか。Steamは独自のカルチャーがあって、主流なゲームシステムやデザイン、1プレイにかかる時間の長さなど、今まで作ってきたゲームと大きく異なるので、アプローチの仕方を変える必要がありました。作ること自体はすごく楽しかったですね。多くの新しいことに挑戦することもできました。

須田

売り切りゲームを作る上では飽きさせないことも大切だけど、どこかで終わりをつけないといけないんですよね。

新しいことに挑戦させてもらえるのがアソビズムの良いところなので、苦労はありましたが楽しく作れました。 新しいことに挑戦させてもらえるのがアソビズムの良いところなので、苦労はありましたが楽しく作れました。

苦労した部分を聞かせてください。

ナカムラ

世界中のゲーム開発会社がSteamに参入しているんですが、日本市場は2%くらいで98%は海外のユーザーです。海外の会社と凌ぎを削らないといけないですし、日本市場をメインにしてきた我々が出すべきゲームはどういうものなのかを考えることが難しかったですね。

奥村

ローカライズという各国向けの言語対応や日本以外でのプロモーション方法も考える必要がありました。会社としても初めての経験で、試行錯誤しながら進めたのを覚えています。

須田

言語対応をしている中で、日本語だと問題なく表示されていたものが他言語だと画面からはみ出していたりして。基本的には英語の修正が多かったんですが、韓国語や中国語は日本語に近いのでそこまで大きく崩れることはなかったかな。スペイン語、ロシア語は想定以上の長さでしたね。

ナカムラ

言語対応は翻訳専門の会社さんにお願いしました。それをゲーム内に組み込んだ時に画面上のズレやニュアンスの違いがないか検証する作業も新鮮でした。

奥村

そもそも「ビビッドナイト」は自分とナカムラの2人でスタートしたんですが、最初の1年半は作っては壊してを繰り返していました。思うように面白くならなくて苦労しましたね。

須田

僕は当初は別のプロジェクトにいたので、途中からへルプとして合流しました。

ナカムラ

今のゲームデザインに固まってから須田が合流して、1年で完成させた感じです。

須田

最初からチームにいたわけじゃないので、「デザイナーがいないプロジェクトだけどデザインは一応ある」という状態のゲームを直していくこと、デザインとして成り立っていないものを成り立たせていくのが最も大変でした。ゲームの概要と世界観をしっかり共有して、2人と相談しながら作り込んでいきましたね。

奥村

今まで培ってきたものが使えないのも苦労しました。アソビズムの既存のユーザーさんの多くはスマートフォンゲームで遊ぶ層なので、いざ「アソビズムがSteamという新しい市場でゲームを出します!」となってもあまり響かないんですよね。でも、このように新しいことに挑戦させてもらえるのがアソビズムの良いところなので、苦労はありましたが楽しく作れました。

ナカムラ

アソビズムではリリース前に全社員が参加する品評会をするんですが、最初は評価があまり良くありませんでした。そこで集めたアンケートを持ち帰ってチームで結果を分析・研究した時に、面白くないという方のほぼ全員がこのゲームのコアとなる「シンボル」というシステムに気づいていなかったんです。シンボルとはそのゲームの面白さの根幹なので、それがわからないと楽しくないんですよね。そこの部分にいかに気づきやすくするか、気づけるように作るかという部分を何度も調整してやっとリリースすることができました。

「ビビッドナイト」チームは3人それぞれが自分の担当領域だけと区切らずに動いていました。 「ビビッドナイト」チームは3人それぞれが自分の担当領域だけと区切らずに動いていました。

「ビビッドナイト」制作時はどのような流れで動いていましたか?

ナカムラ

午前中はメールやチェック戻りなどの確認作業ですね。「ビビッドナイト」は少人数で開発していたので、ディレクターが担う関係各所とのやりとりもかなり膨大でした。午後は基本的にそれぞれが作業を進める形でしたね。

奥村

「ビビッドナイト」を作っていた時は基本3人だったので、自分の作業に加えて他の作業も幅広くカバーする必要がありました。それぞれのメイン分野だけでなく、意見を出し合いながら協力して作業を進めていきましたね。

須田

基本的には3人で話し合って、ディレクターが最終決定をするみたいな流れでした。自分は外部のデザイナーさんへの指示出しをしたり全体的なゲームの見た目とかを担っていたんですが、2人から「ここはこうした方がいいかな?」みたいな相談が来るのでその対応もしていましたね。もちろん僕から聞くこともたくさんありましたし、「ビビッドナイト」チームは3人それぞれが自分の担当領域だけと区切らずに動いていました。

奥村

世の中がコロナで大変になっていったタイミングと開発時期が被っていて、各自リモートで作業を進めたんですが、ありがたいことに3人が元々フレンドリーな関係だったんです。

須田

ふたりとは以前一緒に仕事をしたこともあって、「お久しぶりです〜」みたいな感じでしたね。

Steamでの93%の「非常に高評」は1つの到達点で、チームとしては想像以上の評価をいただけたと感じています。 Steamでの93%の「非常に高評」は1つの到達点で、チームとしては想像以上の評価をいただけたと感じています。

ユーザーさんの反響はどうでしたか?

ナカムラ

リリース前はユーザーさんから「まさかアソビズムがSteamで出すなんて!」みたいなコメントを多くいただきましたね。

奥村

リリース後は国内外から「面白い」というコメントをたくさんいただけました。Steam内のレビューは信頼度の高い評価になっていて、ゲームを購入する際の指針としての重要な役割を果たしているんですが、93%の方が「おすすめ」にしてくれました。あと2%いけば「圧倒的高評」という評価でしたが、その2%がかなり厳しい世界なので。Steamでの93%の「非常に高評」は1つの到達点で、チームとしては想像以上の評価をいただけたと感じています。また、SNSでも好意的なご意見がいただけて嬉しかったですね。

須田

実況動画などでプレイ中の生の感想やコメントに触れられたのも良い経験になりましたね。

奥村

リリースした後、1ヶ月間1日1回アップデートするという目標を掲げていたんですが、その内容はユーザーさんからの反応を反映しましたね。

今後もまったく新しいゲームの形態がどんどん出てくると思います。そして、そこから色々なタイトルが生まれるんじゃないかなと。 今後もまったく新しいゲームの形態がどんどん出てくると思います。そして、そこから色々なタイトルが生まれるんじゃないかなと。

売り切りゲームの今後をどのように考えていますか?

ナカムラ

AAAタイトルと呼ばれる数十億かけたゲームを作る会社と、インディゲームという予算規模がとても少ないながらアイディアで勝負する小さい会社の二極化が進んでいくと思います。また、アソビズムとしては今後も売り切りゲームに挑戦していきたいと考えています!

奥村

スマートフォンがリッチになって重いゲームでも動くようになり、今までコンシューマーゲームを作ってきた資本の大きい会社が無料オンラインアプリ市場に参入するようになったんですよね。中小企業がそこと同じ土俵でやるのは難易度が高いので、売り切りゲーム市場は新たな活路になっていくと思います。

須田

販売の観点で言うと、最近ストリーミング販売やサブスクリプション型などが増えてきましたが、今後もまったく新しいゲームの形態がどんどん出てくると思います。そして、そこから色々なタイトルが生まれるんじゃないかなと。操作形態も変化していくでしょうし、こういうものはどこかで急に変わっていくものなので、常にアンテナを張っておく必要がありますね。「変わった!」って思ったときにはもう遅いですし、常に対応できるようにしておきたいです。

どういう方と一緒に働きたいと考えていますか?

ナカムラ

社内がゲームの面白さについて真剣に議論することが好きなメンバーばかりなので、同じ熱量を持っている方だと嬉しいですね。本気でゲーム作りをしたいという方と一緒に働きたいと思います。

奥村

自分の専門分野だけをやりたいというよりは、ゲーム作りの幅広い部分に興味を持てる方、遊びの部分を考えるのが好きな方が良いですね。

須田

ゲームだけじゃなくて、色々な物事を知りたいと思って楽しめる方がいいなと思います。

ゲームだけしか見えてない、ではアイディアが固まってしまうと思います。視野を広く、たくさん吸収してゲームに反映できたらいいですね。自分が今まで生きてきて面白かったことをゲームにしていきましょう。 ゲームだけしか見えてない、ではアイディアが固まってしまうと思います。視野を広く、たくさん吸収してゲームに反映できたらいいですね。自分が今まで生きてきて面白かったことをゲームにしていきましょう。

アソビズムの求人に応募される方へ、メッセージをお願いします。

ナカムラ

アソビズムは小規模な会社なので、どんな細かい仕様でもメンバー全員が納得するまで議論を重ねるという作り方ができるのが魅力です。

須田

ゲームだけしか見えてない、ではアイディアが固まってしまうと思います。視野を広く、たくさん吸収してゲームに反映できたらいいですね。自分が今まで生きてきて面白かったことをゲームにしていきましょう。

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