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INTERVIEW 01

「つくる」「あそぶ」「改造する」
物理とカラクリで遊ぶサンドボックスゲーム。世界配信へ向け、開発メンバーを募集します!

大手 智之

アソビズム代表 / ʘmʘchim ディレクター

大手 智之

※インタビューをした2022年12月時点での
役職、勤務年数となります。

人は自分の一番得意なこと、
好きなことをやっている時が最も力を発揮できる

人は自分の一番得意なこと、
好きなことをやっている時が
最も力を発揮できる

omochimイラスト

アソビズムはどのような会社ですか?

大手

大手

2002年に創業した、今年20周年を迎える(2022年12月現在)会社になります。遊びを中心とした、自分の好きなことや楽しいことを仕事にしている、各々が得意なことを持ったスペシャリストの集団です。自分の好きなことを追求したい、遊びに関わる仕事をやり続けたいという決意もあり、会社名に「遊び」という言葉を入れました。そこが根っこにあった上で「得意を活かす」という経営理念を掲げています。事業体制としては、スマートフォンや、STEAMなどのプラットフォーム、家庭用ゲーム機向けのゲームを制作しているゲーム事業部と、子どもたちに、ものづくりの楽しさを伝える活動を行っている共育事業部があるのが特徴です。

共育事業部とは

ICT学習、野外活動、ものづくり教室など、子どもたちの想像力を育む場所を作り続ける「未来工作ゼミ」を運営する事業部です。これからの社会で必要となる生きた知恵を、ゲーム開発のノウハウを活かして、楽しく子どもたちに伝えていきたいという思いで、2012年から長野県を中心に活動がスタートしました。一方的に知識や技術を教える場所ではなく、大人も子どもも、共に考え、学び、成長することを目指す場所、共に育むこと=「共育」ということを心がけています。

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「得意を活かす」を大切にしているんですね。

大手

大手

人は自分の一番得意なことや好きなことをやっている時が最も力を発揮できますよね。僕自身もそうなんですが、全員が自分の得意分野で力を出せていれば、チームとしても最大の力を発揮できると考えています。創業5年目くらいにこの経営理念が出来上がり、会社のルールを含め全ての方針が「個々の得意(個性)を最大化する」というスタンスで設定されています。また、社員が言えない経営理念では、掲げる意味がないとも考え、社員が100人いたら全員が経営理念を言える会社でありたい、という思いでやっています。

長野ブランチ「飯田館」、古民家を改装したオフィスの画像
長野ブランチ「飯田館」は古民家を改装したオフィス

ゲーム制作で培ってきた技術やノウハウを活かして、
子どもたちに「学ぶことの楽しさ」と感じてもらいたい

ゲーム制作で培ってきた
技術やノウハウを活かして、
子どもたちに「学ぶことの楽しさ」
を感じてもらいたい

ゲーム制作で培ってきた
技術やノウハウを
活かして、子どもたちに
「学ぶことの楽しさ」
を感じてもらいたい

omochimイラスト

共育事業を始めたきっかけを教えてください。

大手

大手

アソビズムを起業する前から、個人的にもゲームが教育にもたらす可能性には興味がありました。20代の頃、ゲーム業界に入って直ぐにプレイステーションのゲームを作るチャンスを貰えました。それが教習所に通って免許を取得するまでをモチーフにした「免許をとろう!」というゲームです。
教習所でやらなければならない多くのことは、まるで学校の嫌いな授業のように退屈に感じる人が多いと思います。僕にとってもそうだったのですが…ただ、技能教習での教官とのやりとりは、とても印象的でした。絵に描いたような嫌味な教官がいたり、若くてさわやかなイケメン教官がいたり…セクシーな美人教官はいませんでしたが(笑)。みなさん個性的で、そのやりとりがとても面白かったので、こうしたことをゲームに盛り込んで作ったら、教習所での学びを楽しむきっかけづくりになるのではないか…と思いました。また、学科教習では、イラストや音を使ったゲーム的な表現と組み合わせることで、楽しく分かりやすく進められるようになりますし、間違えたポイントは、声優さんのステキな声で優しく指導してくれるのも、プレイヤーが学び続けるモチベーションに繋がると考えました。
この時から漠然と考えていたことですが、ゲームで遊んだ時間が、ただの暇つぶしで終わるのではなく、ゲームで得た経験を、リアルの世界に活かせるようなゲームをつくりたいと思っていました。こうした思いを、ゲーム作りとは違うアプローチで、さらに進めてより具体的な形にしたのが、現在の共育事業の活動へと繋がっていきます。

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アソビズムを創業する前からゲームと教育(共育)がリンクしていたのですね。

大手

大手

ゲームを制作する上でプレイヤーを熱中させるために、難しいことを分かりやすく学ばせる工夫や、言語や年齢の壁を超えて直感的にわかりやすいインターフェイスを設けることは当たり前のことなのですが、それを他分野でも活かすことが出来れば世の中がより楽しくなるのではないかと思っています。例えば学校の授業だと、子どもが喜んで勉強するイメージってあまり思い浮かばず、多くの子どもたちが嫌だなぁと言いながらも「やらなければいけない」という思いで、授業を受けているのではないでしょうか。本来、学びと言うのは押し付けられるものではなく、自ら「やってみたい」という思いで始まる学びこそが本物だと僕らは考えています。ここは、アソビズムの経営理念とも紐づく考え方です。ゲームには、プレイヤーを引き込み夢中にさせる力があります。そうしたことを特に「学び」という観点で活かすことで、世の中の役に立てていきたいと思っています。

ゲームなのにルールがない!?
遊び方を提案しないチャレンジングなゲーム、それがʘmʘchim

ゲームなのにルールがない!?
遊び方を提案しないチャレンジングなゲーム、
それがʘmʘchim

ゲームなのにルールがない!?
遊び方を提案しない
チャレンジングなゲーム、
それがʘmʘchim

omochimイラスト

アソビズムにとって、ʘmʘchimはどのようなプロジェクトとして位置づけられているのでしょうか?

大手

大手

ʘmʘchimプロジェクトは、「共育事業部」と「ゲーム事業部」の共同開発で進めている、社内唯一のプロジェクトです。アソビズムにとっても、様々な意味で非常にチャレンジングなプロジェクトだと思っています。ゲームユーザーだけに限らず、ものづくりが好きな子どもたち、ものづくりが苦手だけどやってみたいと思っている子どもたちに、親子で友達同士で楽しんでもらいたいと考えています。

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チャレンジングだと認識している理由について、詳しく聞かせてください。

大手

大手

まず、そもそも「ゲームとは何なのか?」と言う問いがあると思いますが、一般的な解釈で言うのであれば「ルールがあるものがゲームである。」と言う認識が、多いのではないでしょうか?今回、僕らはそのルールを極力無くすことをやろうとしています。ゲームの楽しさを形作る「ゲームの遊び方のルール」の部分を、まるっとプレイヤーに委ねようということです。それが一つの大きなチャレンジだと考えています。
もう一つのチャレンジとしては、世界展開が挙げられます。これまでもアソビズムで日本以外のマーケットへ向けリリースを行ったことはあるのですが、あくまでも国内向けに作ったゲームをローカライズしての海外展開でした。今回は、今後の国内マーケットの縮小化なども鑑みて、最初から世界配信を前提でデザインや見せ方の工夫を考えゲームを作っています。これもアソビズムとしては、初の試みなのでチャレンジだと考えています。

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ʘmʘchimは多言語版でのリリースを準備しているのですね。

大手

大手

はい、世界で配信することを視野に入れていますね。これからは国内産のゲームの中にも、最初から世界で売ることを前提に作られるゲームが増えていくと思います。

開発中ʘmʘchim画面画像
直感的なビジュアルプログラミングで自由に世界を動かすことができる

放課後の校庭や公園での
自由な遊び空間をデジタル世界で作りたい

放課後の校庭や公園での
自由な遊び空間を
デジタル世界で作りたい

omochimイラスト

ルールがないゲームというのは、具体的にはどんなものなのでしょうか?

大手

大手

ルールがないというよりも、プレイヤーが「遊び方(ルール)を好きなように決めて遊べるゲーム」という表現が正しいかもしれません。ルールはあっても良いし、なくても良いということです。例えば、放課後、校庭で子どもたちが遊んでいるところをイメージしてみてください。ジャングルジムで遊んでいる子どもたちは、特にルールもなく、ただ登ることを楽しむ子もいれば、ジャングルジムの迷路を利用して鬼ごっこを楽しむ子もいるかもしれません。ジャングルジムを家に見立てて、おままごとで遊ぶ子もいます。地面に木の枝で絵を描いたり、空き缶を使って缶蹴りなどの遊びをする子もいます。子どもたちは、何もないところから、遊びを作る達人です。でも、大人の中には、楽しみ方を教えて貰わないと楽しめないと言う人が、結構いると思います。もっと人それぞれの楽しみ方が、至る所にあっても良いし、その方が世の中が創造性に溢れて楽しくなると思うんです。
今は騒音の問題や安全性の面からも、昔みたいに自由に公園で遊べる機会が減ってきていると思いますが、だからこそ、ネットを介して皆が集まり、遊びを自分で生み出し、それを友達と共有できるゲームを作りたいなと思っています。子どもたちには、どんなことにも面白さを見いだせる、自由な発想をもった大人になって欲しいですね。

omochimイラスト

ʘmʘchimのセールスポイント、これから目指す方向性を教えてください。

大手

大手

マルチプレイを入れようと構想している点でしょうか。不特定多数の子どもたちが一つの公園で同時に駆け回りながら遊ぶ環境をデジタル世界で実現したいです。プレイヤーが協力して箱を積み上げたり、だれかがそれを崩したり、アスレチックで競争をしたり、砲台を作ってボールを飛ばし合ったり…こうした動作がプログラムなしでも作れるようなツールを提供するので、公園で子どもたちがやっていたような遊びの広がりを、デジタル世界で実現し、その場所でも色々な遊びを展開してもらいたいなと思っています。

omochimイラスト

いろんなルールが簡単に作れることで、様々な遊びが展開できそうですね。

大手

大手

そうですね。例えば、みんなでアスレチックで遊んでいたかと思えば、誰かが急に箱を積み上げ始めて「高く積んだ人が勝ちゲーム」が始まったり、かと思えば、その箱に登り始めて「一番高いところまで行けた人が勝ちゲーム」に変化したり、はたまた、突然、ゾンビが湧き出るトラップを設置して「ゾンビから逃げるゲーム」になったり…子どもたちの遊びって、その時々で自由な発想で遊びが変化していくのが楽しいと思うんです。そうしたことを、プログラムなしでも(もちろんプログラムも出来ます。)、簡単に実現して楽しめる環境を目指しています。これって放課後の校庭や公園みたいだと感じていて、今の遊びが面白かったから、次はこうしよう!みたいな流れですよね。そういう子どもの頃は当たり前にあった遊びに対する空気感をデジタル世界で作りたいと考えています。

omochimイラスト

リリースして終わりではなく、みんなで育てていくゲームなのですね。

大手

大手

はい。子どもたちが作った遊び場は、いわば公共の公園になると思います。パーク=公園って色んなことができる、何にでもなり得る場所なので。サファリパーク、アスレチックパーク、クライミングパーク、スケートパークとか色々なパークが出来たら面白いですよね。また、運営側としても様々な提案をしたいなと構想しています。作家さんやクリエイターさんとコラボしたいなとも思っていて、映像作家さんやプロのアーティストがどんな遊び場を作るのか見てみたいです。さらに、ʘmʘchimは実機とのリアル連動もあるので、ゲームの中だけに留まらずに外のエンジニアリングに、プレイヤーの興味が向く作りも目指しています。

プロトタイピングの過程で子どもたちとワークショップを開催している画像
プロトタイピングの過程で子どもたちとのワークショップも開催

ʘmʘchimの発想の土台となった、
クリエイティブ・ラーニング・スパイラル

ʘmʘchimの発想の土台
となった、クリエイティブ
・ラーニング・スパイラル

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ものづくりの楽しさを伝える上で、どのような点が重要だと考えていますか?

大手

大手

僕らが大切にしている考えの一つに、「クリエイティブ・ラーニング・スパイラル」という、Scratch(8歳から16歳のユーザーがメインターゲットの無料教育プログラミング言語及びその開発環境)の作者が提唱した考え方があります。「想像」⇒「作る」⇒「遊ぶ」⇒「共有する」⇒「振り返る」⇒「想像」…と、永遠に続く、創造性を高めるものづくりのあるべき流れを示した考え方なのですが、大切なポイントの一つが、「どこから始めてもいいですよ」というところです。例えば、僕たちの運営する工作教室でも、初めてくる子の中には、何をつくったら良いか分からないという子も結構います。そうした子は、例えば、友達が作ったもので遊んでみるところから始めて見たり、その作品に対して意見を言うところから始めてもOKなんです。誰でも入りやすいところから始められるように意図されているのが、このクリエイティブ・ラーニング・スパイラルの考え方です。

omochimイラスト

「クリエイティブ・ラーニング・スパイラル」が考え方の土台になっているのですね。

大手

大手

以前、共育事業部が手掛けた「ゲームを改造しながら学ぶ Scratchプログラミングドリル」という書籍は、おかげさまで何度も重版していただいているのですが、この書籍の内容にも、この考え方が大きく影響しています。多くのプログラミング学習教材が、まだ何の為に使うのか分からないような命令や構文を、最初から順番に覚えさせるような作りなのですが、そのやり方では、大人でも夢中になるどころか、途中で挫折してしまう人が多いと思うのです。そこで、僕らは独自の共育メソッドとして、「プロトタイプ・ハッキング・メソッド」という考え方を発案しました。

omochimイラスト

「プロトタイプ・ハッキング・メソッド」について、詳しく聞かせてください。

大手

大手

このメソッドのポイントとしては、いきなりプログラムをさせないという所にあります。まずは、8割完成しているプロトタイプと呼ばれるゲームで、子どもたちには遊んでもらいます。クリエイティブ・ラーニング・スパイラルの、「遊ぶ」から始めるイメージです。ただし、プロトタイプのゲームは未完成なので、ゲームバランスが「超ハード」になっています(笑)。ゲームを始めると、子どもたちは、すぐに夢中になるのですが…いずれ「何度も挑戦するけどクリアできない!」と言う状況になります。「どうしたらいいかな?」と子どもに聞かれたら、すかさず「プログラムを改造してもいいよ」と提案するわけです。いわゆる子どもたちが大好きな、裏技(チート)行為を推奨し、学びの行程として子どもたちにやらせるのです。パラメータをいじるだけの子もいれば、がっつりプログラムを改造する子もいます。発想は子どもが100人いたら100通り出てきますね。そうやってゲームを解析して試行錯誤しながらプログラミングを改造することで、自然にプログラミングスキルを学ぶことができるのが「プロトタイプ・ハッキング・メソッド」なんです。サンプルを改造して学習するという意味では、プロのクリエイターも同じ方法で学んでいるので、それを子どもたちにもやってもらおうという思いで作ったのですが、これが見事にハマり、親御さんから、子どもが夢中になってやってくれるという反響を沢山頂きました。そして、もちろんʘmʘchimにも、この考え方がベースとして根付いています。

「 Scratchプログラミングドリル」の画像
重版が続く「Scratchプログラミングドリル」

世界中のプレイヤーが集まり、
自由に遊べる場所を一緒に生み出しましょう!

世界中のプレイヤーが集まり、
自由に遊べる場所を
一緒に生み出しましょう!

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どんな人材に応募いただきたいですか?

大手

大手

プロジェクトでの役割みたいなものは一旦置いておいて、新しい物事を始めることにリスクよりも楽しさを感じる人に来てほしいと思います。ゲーム作りに限らず、新しいことにチャレンジする時は、不安に思う人って一定数いると思います。もちろんリスクヘッジという意味ではチームにとって大事なことで、そういう人に説明することで、課題や必要なことが言語化されるメリットがあるという側面もあります。ただ、今回のプロジェクトに関しては、失敗を恐れずにチャレンジして、そこから学び・改善しながら進められる強さも大切だと考えています。そういう観点から、新しいチャレンジに対しても、恐れず積極的に関わり活躍したいと思える、楽天的というかポジティブになれる素養がある人に応募していただけたらと思います。

omochimイラスト

最後に、応募を検討されている方にメッセージをお願いします。

大手

大手

現在、急ピッチでʘmʘchimの世界配信に向けて開発に取り組んでいます。ただ、やりたいこと・やるべきことは見えているのですが、開発メンバー不足で、スピード感が足りていないのが現状です。ゲーム開発はスピードが大事ですし、できるだけ早く、ゲームを世に出すためにも、高い技術力や企画力、デザイン能力をもった仲間が必要です。ICT共育、未来の玩具、プログラミング、AI、AR、ロボット、クリエイティブ、テクノロジー、ゲームの可能性、世界マーケット。こうしたキーワードに心躍る方は、是非、僕たちのチームにジョインしてください!世界中のプレイヤーが集い、誰もが創造性を発揮して自由な遊びを共有し合える、そんな未来の公園になり得るゲームを一緒に作りましょう!

プロトタイピングの過程で子どもたちとワークショップを開催している画像

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